金融経済を読むエコノミーア



岩崎有一



背景の絵は誌面構成の汚れではない。
彼が、バイクに跨って撮影した写真の損傷だ。

砂塵に吹かれ、汗で混濁し、レンズは視角を失う。
ネガに焼かれた世界にアフリカの鼓動が息付いている。

アフリカは、ファインダーを覗く目の先で、
忘れ、失ってきた何かを呼び覚ましてくれるという。
活字や意匠、一切の装飾を拒絶する、
圧倒的な存在感、絶対的なやさしさ、
そのとき決まって、涙が溢れでるという。

我々が手にする富みとは、一体どんな意味をもつのだろう。
岩崎有一が、胎動するアフリカ経済をゆく。


岩崎有一 いわさきゆういち
ノンフィクションライター、武蔵大学メディア社会学科非常勤講師
アフリカ諸国26カ国を踏破、以降、2年に1度のペースで訪問する。